土建設業における社会保険の規制強化に対する対応策(平成24年11月現在)

1.自社の社会保険(雇用保険,健康保険,厚生年金保険)について

Q1 現在未加入ですがどのような不利益を受けますか。

A ① 刑事罰の対象となります

② 行政罰(営業停止処分等)の対象となります。

③ 経営事項審査で低い評価となり,事実上公共工事を落札できなくなります。

Q2 保険の適用除外があるそうですが、建設業ではどんな場合がこれにあたりますか。

A ① 法人の役員等

② 研修生・実習生・学生(但し,無報酬の場合。)

③ 請負で仕事をしている職人(但し,自社の指揮監督命令下にないこと。)

2.下請業者の社会保険について

Q1 元請業者は,下請業者が社会保険に入っているかどうか、どのようにチェックすればいいのですか。

A ① 施工体制台帳(下請工事代金3000万円以上(一式工事4500万円以上))

② ①がない場合 再下請負通知書の「健康保険等の加入状況欄」

Q2 現場にいる労働者全てについて社会保険の加入状況を把握する必要があるのですか?

原則として現場作業員のみです。警備員,オペレーター,トラック運転手等については,社会保険の加入状況を調査することは求められていません。

Q3 社会保険に加入していない業者を発見した場合どうすればよいですか。

A ① 社会保険の加入に関する下請指導ガイドラインによると,加入するよう指導すべきとされています。

② 2017年度以降は,下請けとして選定しない取扱いとすべきとされています。

③ 2017年度以降は,現場入場を認めないようすべきとされています。

 

Q4 上記に違反した下請業者を選定した場合、どうなりますか。

A ① 平成24年11月現在,罰則はありません。

② 但し,不良不適格業者として,公共工事の入札から排除されるリスクがあります。

 

Q5 元請業者として、下請業者に対し,社会保険料相当分を支払ったことを明確にするためにどうすればよいですか。社会保険の加入に関する下請指導ガイドラインでは,法定福利費として適正額の社会保険料相当額の支払いを怠ると不良不適格業者として扱われるリスクがある旨指摘されており心配です。

A 見積書や契約書の中で,法定福利費の項目を設け,支払の事実を明確化しておくことが肝要です。