「取引先が倒産?」シリーズ Vol.4 発注者ですが、元請業者が倒産しました、どうすればよいでしょうか?

【相談内容】

発注者ですが、元請業者が倒産しました、今後どうなるのでしょうか?

【回答】

1 元請業者による工事の続行について

通常は元請業者の破産管財人により契約解除され、工事は続行されません。ごく稀れに、あと僅かで完成するケースで、元請業者の業務の履行として、その従業員や下請業者が完工するケースもあります。

2 工事代金の支払いについて

破産管財人が契約解除を選択した場合には、注文者は出来高相当額を支払うことになります。出来高の評価は一義的ではないため、破産管財人との交渉になります。また、下請業者が現場を留置しているケースでは、注文者は破産管財人に対して、施工部分の引渡と代金の支払いの同時履行を求めていくことになります。これらのケースでは専門家の助けが必要となります。

3 契約解除後の工事の続行について

本来であれば、従前施工をしていた元請業者の下請業者に工事の続行を依頼したいところですが、通常、工事代金の未払金があるため、第三者の業者に依頼することも多いのが現状です。

工事完成保証型のエスクローシステム等を利用すれば、注文者や下請業者において、元請業者の倒産リスクを回避できる可能性があります。